夜のバス停

夜を走るバスのように、心に寄り添う親密な言葉を探して

月夜の晩に、ボタンが一つ

背中のトトロが行方不明

きのうの夜職場を出るときに

揺れていたのは覚えている

同じ道を行ったり来たりなのに


なんの連想だろう

きょうの私の頭の中


中原中也「月夜の浜辺」


"月夜の晩に、ボタンが一つ

波打際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと

僕は思ったわけでもないが

   月に向ってそれは抛れず

   浪に向ってそれは抛れず

僕はそれを、袂に入れた。"


"月夜の晩に、拾ったボタンは

どうしてそれが、捨てられようか?"